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青い向日葵の唄

鉛色の空の映りし
灼けつくような氷河のベッド
陽は目を背け 人は夢見る
止むことのないブリザードの中

前も後ろも 灰に閉ざされ
折り重なり生きて腐ってゆく
それを尻目に そこに根を張り
空を眺める 青い向日葵の

花開き
冷たく照らす
切り開かれた
灰のように
青空のように酷く

青ざめた 貴方の身体に
寄り添って囁く
あの空へと還るか?
人はみな、言う
私の冷たい肌に触れ
舌で愛撫し
ただ頷くだけ


落ちてゆく 花びらたちは
地を這う星と共に瞬き
研ぎ澄まされた 魂もまた
明けぬ夜へと舞い上がり還る

姿形は無い
私はいない
見渡す限りの「柩の中!」

空に映る 幻想の朝
絶望に諦めの笑みを刺す

何も見えない
何も聴こえない
なにもない
還る場所はただ一つ

白夜に顔を覗かせる
白く熱い大輪の花のように
微笑んで包み込んでくれた
私の太陽の
心の中ただ一つだけ
閉ざされていなければ


迫りくる
冷たい忘却の地獄
妄想の極楽
虚無の現実
消えてゆくのは私だけではない
と、妄言を吐いて
ただただ嗤おう

感じるもの全てを
受け入れるふり
忘れたふりなどに
意味はないのだと
自らに言い聞かせて
春風に種を託した
青い向日葵


作詞/作曲:権兵衛る