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光陰掴む者

群れる 千の子を掬う
無数の手首 誇るけれど、
その脳は誤認する
滴る、雨露の形さえも


何気ない路地に、佇む
異質な虚無
「どうか生きる意味をおくれ」と
手垢を乞い 手招く

光陰矢の如し
総員、駄々を溢し
あり余る挙手を誇示する


五月雨矢 掴む、食指
人の世を腐すほどに、
針小棒大に語る
憤怒の共有という罪

豪炎 風上に見るは、
現状が得策と 問うに、
逃亡を図ることも叶わぬ
この身体では、嗚呼


壱、十、百、千、萬、
億、兆、京、垓、
𥝱、穣、溝、澗、正、載、極

一片の不可思議など非ず
触れる 千の矢を、


光陰矢の如し
全員ただのゴト師
ありふれた暴君の手口


五月雨矢 掴む、食指
腱の端を 抑ぐように
羊頭狗肉に騙る
勲授の分配という虚偽

炎上 矢面に見るは、
「闘争が万策」と、とうに
朦朧と斃るとも違わぬ、
この身体では、


作詞/作曲:権兵衛る