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化けもの節

装い あらたに、
人並、波立たぬように
羽織を織る、選る
夜――、

あれらは、
面の皮を皮を剥ぐ 通り魔の、
面影を追う、負う
亡き者


無敗の旗も 地に臥す
赤茶けた未来

現に 御頭に、
刃は決して通らない
過ぎ去りしとき、
時越ゆる 肥ゆる遺構

問おう――、
その面を覆うのに、
何片の布を欲す?

嗚呼


破れぬほどに
厚顔無恥 無知蒙昧な
仮面を 剥いで剥いで
遺灰かぶり姫
七光る文明

(仲裁という名の端役に)
(中道という名の大義を)
(救済という名の癇癪に)
(忠誠という名の呵責を)

破れかぶれに 慷慨ののち
「狼狽は汚点」と、
吐いて、掃いて
今に政をも血で濯わん――、

(朽壊という名の災厄に)
(旧態という名の再起を)
(仲裁という名の配役に)
(中立という名の退路を――。)


作詞/作曲:権兵衛る