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迷子の狩人

羽ばたくたび、
舞い落ちる 己の羽根に
噎せ、堕ちゆく鳥などいない。
誠に、
鳥の子であるならば――

魂は傷だった。
削げた手足を
そう呼ぶように――
溢れ出る五臓六腑の、
飢えた獣の如き慟哭

眼覆う帳を求め、
「血と涙に器が欲しい」

畜生の如き、
飢餓と渇きは、
命か?

重い頭が、
細い身体さえあれば、
私が、きみを、
喰らうことなど――、
――ない、
だろう、だろう
だろう?

深い胸が在ったならば、
これまでの全ての
悪夢を湛えて、今――、
あるべき場所の
夢をみる

暗い、くらい
眼窩――、

「魂は傷だった。」
それが記憶の
はじまりの言葉

たとえ、
撃たれども
謳おう

私は
「此処にいる」と――、

ら、ら、、ら

弱い眼をした
人の子のように唄う
私が、きみを、
喰らうことなどない――
だろう?
だろう?
だろう?

深い思慮があったならば、
これからの全ての
時間をかけて、いま――、
あるべき場所の
夢をみる――

遠い、とおい、
故郷へ――、



作詞/作曲:権兵衛る