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招宴


青い死肉の面影は
今なお、冷酷な観衆の
瞳の中で息をする
その手を延ばし触れぬ限り―、

いま、踏み締めた
泥を為す
惨い、過ちの残土
そっと埋め戻して―、

その眼を覆うほど
ぬるい風に震え、
肌を伝う雫は
雨露か、血か、それとも―

紗幕越しの愁嘆場
安い涙に酔勿れ
描割りの影を引き擦れど、
標は穢土を記したままで―、

いま、踏み締めた
泥を為す
硬い、作り笑いが
夢を覆い尽くす

青い死肉の面影は
(紗幕越しの愁嘆場)
今なお、冷酷な観衆の
(安い涙に酔勿れ)
瞳の中で息をする
(描割りの影を引き擦れど、)
その手を延ばし触れぬ限り―、
(標は穢土を記したままで、)

淡い血潮の紅色で
(尚早、のちの有閑を)
今際を、繕うまでもなく、
(聡く裁きに殉ずさだめ、)
瞳の奥で息をする
(四季折りの花を看取れども、)
澱んだ視界は拭えずに、
(標は穢土を記したままで、)

紗幕越しの愁嘆場
(青い死肉の面影は)
安い涙に酔勿れ
(今なお、冷酷な観衆の)
描割りの影を引き擦れど、
(瞳の中で息をする)
標は穢土を記したままで、
(その手を延ばし触れぬ限り―、)



作詞/作曲:権兵衛る