逃げ水、横切るアスファルト
煮えたぎる夏の釜の底―、
僕という重石のことなら、 どうか―
「お気になさらずに…」
なーに、
悟っちゃってんだ 馬鹿が
地蔵決め込んで ダンマリか?
八月の炎天下―、
鐚イチ 祈る言葉などないのよ。
永遠の寝坊助には―
知らぬが仏に、
言わぬが花 手向け
こぼれ落ちる悩みの種。
蒔いた憶えもなく
ふきさらす、 青々と萌ゆる緑―
愛とか色めきだって
なおも煮やした業の数だけ
突き刺さった楔
忌まわしくとも 呪わしくとも、
こうして、 手を合わせているのさ―
しあわせとか、 健康とか、
祈りあうのさ いまだにね。
安眠とか、 健康とか、
祈りあうのさ いまだにね。
なーに、
解脱っちゃってんだ バカが??
仏陀気取って、 …で?
「グッバイ」だ 「ナンマイダ~」
謳ってんのさ?
陽炎、 しょっぱく洗い流す
夕立ちレクイエム。
愛とか…
労働とか…
焼肉とか…
が、罪だなんて―
馬鹿げてるね 労働以外。
「そうだね!」
ぼくら、 とっても気が合うね―、
知らぬが仏に
言わぬが花 手向け
こぼれ落ちる 悩みの種
蒔いた憶えもなく 実るツブ
舎利とか何とか 言っちゃって…
愛とか、 浮足立っていまも
煮やした業の数だけ 縛り上げる鎖
忌まわしくとも 愛おしくとも、
こうして、 手を合わせて いるのさ―
幸せとか、 健康とか、
祈りあうのさ。 いまだにね―
安眠とか、 健康とか、
祈りあうのさ―、
―いつまでも。