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渦中 (feat. 重音テト & フリモメン)

破談 (feat. フリモメン & 重音テト)

クラーケン スケッチ
「渦中」MVに登場するラム酒

最近作った曲の話をします。(といっても昨年11月なので結構前ですが…)。

「渦中」は2025/11/28公開。つまり重音テトとフリモメンの新バージョン発売日に合わせて投稿した楽曲。手書き2Dアニメーション付きのちょっと気合の入ったMVになっています。

Synthesizer V 2 AI フリモメン
Synthesizer V 2 AI 重音テト

 ニコニコやYouTubeのコメントにて、2024年公開の「破談」と関連付けるご感想がいくつかありました。確かにどちらの動画にも喪服のテト・死者と思しきフリモメンが登場し、歌詞もそのような感じです。
とはいえ、作った本人としては「2つ合わせて一つの物語」…のような接点や時間軸は特に想定しておらず、この2作品はどちらかというと「死別・今際の別れ」という一つのテーマに対し、切り込む視点が違っただけの2作品という認識でした。

以下、その視点についてのお話となります。




 投稿から2年経ち流石に忘れかけていたのですが、2024年のメモ書きによると「破談」のテーマは「遺物」だったとのこと。死はどこまでも存在と地続きであり、生前の行いが結んだ縁起や因果に対し無や消滅を齎すことはない、というのが「死別」の書き方として重要な前提だったようです。それはそう。死は永遠の別れを齎すといいつつ、出会った事そのものを無かったことにする程の漂白作用はありませんので。
「遺物」という考え方を明確に言語化したのは「破談」の時点でしたが、それ以前に制作した楽曲も今思えば全てそうでした。私が制作したこの2人のデュエット曲は何故か全て死別ソングですが、受刑者と処刑人、食材と料理人などシチュエーションは多々あれど死の書かれ方は常にこの「遺物」という考え方の下で共通していたように思います。そして「渦中」も勿論そうです、死が生前を漂白しきれないが故に、今なお2人はお互いの関係性の渦中に留まっている。

 共通のテーマを多く残しつつも対極のような「破談」と「渦中」ですが、意識的に設定した相違点はそれほど多くありません。決定的に異なるものとした要素は、2人の対話の有無です。ボーカルの掛け合いが会話として成立しているか、それとも各々の独白や一方的な呼びかけなのか。お互いは本当にお互いを見ているのか、そうではないのか。


 余談ですが、「渦中」に登場する小道具について。テトのペンダントは、テトの出自である4月1日(エイプリルフール)と、フリモメンのFを掛け合わせたデザイン。何かしら2人の深い間柄を示唆するものを身に着けさせたいと思い、最初は「指輪かな?」と思ったもののそれでは関係が限定的すぎるので…アニメーション的にも見せやすいペンダントにしました。

ニコニコでコメント戴いたとおり、登場するラム酒は「クラーケン」。MVを作る直前、いつもお世話になっているGallery cafeBar 冥さんにて資料用にスケッチをさせていただきました。全体的に海のイメージなのでピッタリかなと。ちなみにラム酒と柘榴のシロップを使うカクテルに「ゾンビ」というものがあるらしいです。下戸の自分には試せそうにありませんが…。